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大学生編・・・社会に認められたと感じた日 性同一性障害㉖

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で大学を再受験することとなった私。

 受験票をひっさげて大学の講義室に入る。

私の座席はかなり前の方。だって受験番号が一桁だったから。

人生で受験番号が一桁なんてそうそうないよね。願書受付開始日の当日に出したからそんな番号がゲットできたみたい。よっぽど気合が入ってたんだと思う。

受験内容は詳しく言えないけど、普通のテストと面接の両方があった。

テストの方はただひたすら自分の脳みそをフル回転させて書くだけでいいから気にすることはない。やった分だけ結果が出る。

 

問題は面接だった。前回の記事でも書いた通り、私は受験前に自分が性同一性障害だって伝えてある。多分面接官もそれを知ってて私の面接を行うはず。いくら大学側が希望の性別でいいですよってOKを出したとしても面接官が内心どう思ってるかなんて分かんない。だからすごく不安だった。

面接内容はどうして今の大学をやめて受験するのかとか、入学したらどういった勉強を主にしたいのかとか。まぁよく言えば無難な質問だった。

でも答えるたんびに私はドキドキ。もしかしたら次の質問で自分の素性について何かつっこまれたらどうしようなんて思ってた。

幸いにもそんなことはなくて面接は無事終了。荷物をまとめて校舎を出た。

 

帰路の間ずっと思ってたのは「やっぱ無理かな~。」っていうネガティブな考えばかり。

テストは想定してた範囲と違ってたからちゃんと解けたか心配だったし。何より性同一性障害で受験してたのはあの中では私一人(のはず。まさか他にもいたと思えないし・・・)普通の人間と自分みたいなのが選択される側にたったら選ばれるのは当然普通の人間だって知ってたから。そんな経験してきたし、そういう話も嫌という程聞いてきた。

部屋に着くころにはさっぱり諦めて今の大学で無事卒業を迎えようっていう気持ちしかなかったと思う。嫌な思い出もあるけど先生はいい人いっぱいいたし。

 

その頃は大学受験の合格発表はネットで先に公開されるのが普通になってた。どうせ落ちてるって分かってても公開日に大学のHPを覗いてみた。

ほんとびっくりしたよ。自分の番号あるんだもん。正直嬉しいっていう気持ちよりなんで?って気持ちの方が大きかった。

だって私以外みんな普通の人だよ?私性同一性障害だよ?大学入れちゃっていいの?って。面接なんて評価基準は主観なんだから適当な理由つけて落とすことだって出来るのに。合格通知届くまで続報で「合格発表に間違いがありました」とかって出るんじゃないかって半信半疑だった。まぁちゃんと合格通知来たんだけどね。

 

大学の先生はすっごく喜んでくれた。自分の大学から学生一人いなくなっちゃうのに。授業は一緒に受けなくなったけど、休学前に出来た友人には校内で会ったとき合格した事を伝えたら飛び跳ねて喜んでくれた。家族も喜んだし、主治医の先生もすごいって褒めてくれた。

私自身はどうかっていうと合格は嬉しかったけど、その人達の反応にびっくりしてた。私のために喜んでるっていう感覚が不思議で仕方がなかったの。長いこと人にそんな反応されたことなかったから忘れてたんだと思う。人が他の人のために喜ぶことが出来る生き物だってことが。

 

人からそういう反応を貰ってやっと自分が受かったんだって実感できた。嬉しかった。嬉しかった理由は2つある。

1つは自分が勉強したい学問がもっと良い環境でできるっていう嬉しさ。

そして2つ目は性同一性障害でもちゃんと見てもらえるんだっていう嬉しさ。

私が受けた大学って世間一般には固そうなイメージのある大学だったの。そんなとこが私みたいなイレギュラーな人間の入学を許可したっていうのはすごいことだと思う。

定員割れする大学とかだったら私なんかでも学力さえ満たせば入学許可を出すことに躊躇なんてしないと思う。大学もビジネスだから入学者少しでも増やしたいはずだし。

でも私が受験した大学は定員割れなんて無縁の行きたがっている人が沢山いる大学。

わざわざ何がきっかけでトラブルになるかも分からない人間に許可なんて出さなくてもいいんだよね。

だからこそ、そこの大学に「試験を通過したので入学してもいいですよ」って言われた時に感じたのは「自分が思ったより私達みたいなのに対する差別って減ってるのかも。もっと普通の人の中に溶け込んで生きていいんだ。私たちも努力すれば認められるんだ。」っていう嬉しさだった。

 

 

私が合格した大学は差別はなかったけど、中にはちょくちょくあるっていう話は後で聞いた。だけど今は昔より大分減ってるんじゃないかなって思う。だから性別マイノリティーの人も大学受験諦めないでね!