大学生編・・・障害のある人、ない人 どっちでもない人 性同一性障害㉝
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大学生編・・・会社から見た性同一性障害 性同一性障害㉜ - 性転換子の生き様
で性同一性障害は会社から拒否される事を思い知った。
もう国内企業でも多くの企業が選考を終えどうしようかと途方にくれながら、
ネットを彷徨っていた時、ある文言が目に入った。
「障害者採用」
日本では障害者を積極的に雇用するように国が企業に指導している。大手とかになると結構な数の障害者が働いていたりする。
そういえば私の病気は性同一性「障害」。障害が入ってるってことはこっちの枠で受けてもいいんじゃないか?と思った。別に足が動かないとか手が動かないとか、人の手を借りないと日常生活に支障が出るというわけではなかったけど、生活に不便を強いられることがないわけじゃない。それに、現に就職活動ではそれが原因で支障が出ている。
私は障害者の雇用を主に扱っている就職サイトにメールを送った。
「私は性同一性障害なのですが、そちらのサイトから応募は出来るのでしょうか?」
それに対して返ってきたのは
「申し訳ありませんが、障害者採用は障害者手帳を持ってる場合に限ります。」
だった。
小さな希望だったけど、それもなくなった。それと同時に疑問が湧いた。
性同一性障害には障害者手帳なんて支給されない。だって体が自由に動かなかったりするわけじゃないから。でも障害者手帳あるなしが企業から見た障害者の判断基準なら私達は何なんだろう。だって普通に就職しようとしても拒否したよね?その拒否した理由は何?私が他の普通の人と悪い意味で差があると思ったからだよね?そしてそういう差がある人のために障害者採用って枠つくったんでしょ?そこも拒否されるの?
じゃあ私って何?
って思った。勿論企業にそんな事を言ってもしょうがない。多分国からの障害者雇用の基準が障害者手帳を持ってるかどうかだろうから。
でもね、それなら私の過去の苦しみって何だったんだろうって。何で精神科を長い間受診してるんだろうって。なんで病名に障害ってついてるんだろうって。
結局、私達みたいなのは社会や会社から受け入れて貰えないけど、それよりももっと上の段階の国が受け入れてないってことなんだろうなって。
どんな物も分けようと思えば2つ分けられる。東京に住んでいる人、住んでない人。
日本語が話せる人、話せない人。海が好きな人、好きじゃない人。
そして障害もある人、ない人って明確に分けられる物だと思ってた。勿論障害の程度に差こそあれ、あらゆる人はどっちかに所属するんだと思ってた。
でも性同一性障害はどっちにも入らない人だった。どこにも入れない人間はどうやって生きればいいんだろうか。そんな風に思いながら私は留年を決めた。