性転換編・・・女性の体で日本へ 性同一性障害㊽
前回の記事
性転換編・・・術後のタイ観光 性同一性障害㊼ - 性転換子の生き様
術後2週間くらいタイのホテルで静養して日本に帰国することとなった。
帰国当日は到着初日にタイの空港からホテルまで連れていってくれた女性が迎えに来てくれた。相変わらず日本語上手だな~っと思いながら、色んな話をした。
手術はどうだったかとか、一緒の時に手術受けてた~さんって面白い人だねとか、空港へ向かう道中で話が弾む。
空港に着くと彼女は少し座って待っててと言い、空港のスタッフへ何かを頼みにいった。するとスタッフが車イスを持って私のところへ来た。まだ術後ゆっくりしか歩けない私にはスワンナプーム空港を歩くのは大変だろうということでこれに乗って搭乗口まで行くために用意してくれたのだ。こういう手配もしてくれるから代理店っていうのはありがたい。そして彼女と「またタイに来ることあったら会おうね」なんて言って別れを告げる。
行きはさっと通り抜けたスワンナプーム空港も帰りは沢山のショップの間を通り抜けて移動するために改めて大きさを実感した。自分の足で歩けるなら見てみたいお店がいっぱいあったんだけど今回は空港のスタッフに押してもらっているため我儘は言えない。
我慢して搭乗口まで真っ直ぐ向かった。帰りの機内も私の姿を見てスチュワーデスさんが足を延ばせる前の方の席に移動させてくれるなど配慮してくれた。
向こうはまさか性転換手術が原因で車イスに乗ってるとは思ってないから少し悪いなっと思いつつ甘えさしてもらうことにした。
帰りの機内はタイ旅行帰りの日本人でいっぱいで(多分)手術帰りなのは私だけ。子どもの頃は海外旅行っていえば夏休みや冬休みの大イベントで異国の地に遊びにいけるのが楽しみでしょうがなかった。その後家族仲も悪くなって旅行なんて行かなくなって10年ぶりに行った旅行がまさかの性転換手術。色々思うこともあったんだと思う。時差の影響もあったのかもしれないけどあんまり寝られなかった。
手術が終わったからこれにてめでたしめでたし。明日から普通の人間として過ごすぞ!なんて事にはならないだろうし、そもそも今の体じゃまともに体が動かせるまで数か月は静養を続けないといけない。就職活動もやっぱり難航するだろうな。というかその前に戸籍の変更手続きしなきゃ。まだまだ安心できる日は遠いなっと自分の好きな音楽を聞きながら考えてた。
日本の成田空港に着くとやっぱりそこでも車イスでお出迎え。入国審査を抜けてすぐに電車に乗るのもきつかったので、車イスから降りて少しレストランで休んでから帰ることにした。別に車イスはなくてもゆっくりなら歩けたしね。久しぶりの本物の日本食に舌鼓を打ち、特にトラブルもなく帰路についた。
性転換編はこれにて終了!この後から戸籍獲得編でつづく・・・