大学生編・・・新しい学校生活 性同一性障害㉗
大学生編・・・社会に認められたと感じた日 性同一性障害㉖ - 性転換子の生き様
の記事で書いた通り、無事合格し、心機一転大学生活を始めることとなった私。
新しい大学は前の大学からは距離は離れているし前の大学の知り合いにばらされることはない。だからもしばれるとすれば自分のミスだ。
そう思って。私は徹底的に自分の過去の痕跡を消した。部屋にある男の名前や性別が書いてある書類は箱に密封して押入れの奥に。お財布には保険証やカードのたぐいは入れない。お札と小銭とどっかのポイントカードくらい。
学生証は幸い女性の名前で作って貰えていたので隠す必要はなかった。
最初は新しい大学ではまじめに静かに生きていこうって思っていたんだけど、自分の努力が認められた嬉しさからなのか積極的に色んな人と関わる学生生活を送るようになっていた。
沢山サークル見学もいったし、学生の有志の勉強に参加したり、正直人付き合いは全然得意じゃなかったけどせっかくのチャンスなんだし変わらなきゃって思いながら生きる毎日だった。あの頃を思い返すとほんとよくあんなに積極的になれたなーって思う。
だってサークルの副部長とかやってたんだもん。ほんの1年前くらいは引きこもりだったのにね。びっくりだよね。
勿論、勉強も自分の出来る範囲で精一杯頑張った。私より頭のいい人がいっぱいいたけど、少しでも追いつこうと思って難し目の授業を受けたりね。
今、こうやって自分の大学生活を文字にして思うのは人にとって「自信」ってすっごく大切なんだなって。中学から大学生活までの間、「自信」っていう感情を抱いたことなんで一度もなかった気がする。性同一性障害で悩む人間のどれだけの人が自分に対して自信を持てるのだろうか。
自信が後押ししてくれる1歩がないとなかなか新しいことにもチャレンジできないし、辛いことがあっても立ち直れなかったりする。
でもその自信って自分で自分に対して与えるものじゃないんだよね。
私が自信を持てたのは、普通の人と同じ扱いを受けた。同じ土俵に立っていいって許可を貰えたことだった。私は本当に幸運だったと思う。
まぁそんな自信のおかげなのかこの時2回目の恋愛をした。