性転換子の生き様

性転換で男→女に変わった私の人生の歩みや日々のLGBT関係の話で思ったことを書いてます。トランスジェンダーの話がメインです。

SEX CHANGE

性同一性障害の生活覗いていきませんか?

大学生編・・・レインコートの中は裸Ⅰ 性同一性障害㉟

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大学生編・・・努力を捨てた日 性同一性障㉞ - 性転換子の生き様

努力の虚しさをしって性転換を決めた私。

 性転換するための200万は私にはすぐに用意できるお金ではなかった。

貯金はあったけど60万程足りなかったと思う。

卒業まで残り4か月切っていた私は学生のうちに性転換をしてしまいたかった。

だから60万という金額を稼ぐ方法は限られていた。

一つは体を売る。世の中には私達みたいな特殊な体に性嗜好を抱く人がいるのは知っていたから、その人達に体を売るのはどうだろうかと思った。でもそれは止めた。そもそも性欲もないし自分の男性器に対しても嫌なイメージしかもってないのに他の男性のそれを・・・と思うと気が進まなかった。それとそれまでに男性から気持ち悪いセクハラを受けたことがあったから。

となるとそういうのを抜きにした夜の世界。俗に言うお水系しかなかった。

女性の中で女性としてお水をする方法も考えたけどお酒を飲めない私が他の女性と競って勝てるかどうかは分からなかったから普通のお水は考慮に入れなかった。

 

そこで思いついたのはニューハーフのショーパブ。あそこなら私と同じ境遇の人もいるかもしれないし、200万もかけずに性転換する方法を知ってる人もいるかも?

それに自分みたいな人に理解がある分辛い気持ちにならなくてすむかなっていうお金以外の目的もあった。

ネットで検索しまくって見つけたのはその地域で一番有名なショーパブ。知る人ぞ知るという老舗のお店だった。そこはニューハーフ業界では超のつくほどの高級店で、椅子に座るだけで数万円が飛び、お店の外見も内装もお金かかってます!っていうのがありありと分かるお店だった。

ここなら目標金額まで貯めるのにそこまで時間はかからないかも・・・と思いながらお店に連絡を入れた。

お店の人は事情を察してくれて一度見においでと言ってくれた。

 

お店を訪ねる日はドキドキだった。夜の世界なんて覗いたこともなかったし、しかもこれから行くところはニューハーフのショーパブ。全然が想像つかなかった。

お店の入口に来て驚いたのは、入口に入るまでに飾ってある調度品。ライオンか何かの彫刻や凱旋門っぽい門。花もいっぱい飾ってある。お店の開店時間はまだ当分先だけど中に入るには勇気がいった。もじもじしながら扉の外で入ろうかどうしようか悩んでいると声をかけられた。

「あなた誰?お店の子じゃないよね?  あ、もしかして見学の子?」

声の主はお店で働いているニューハーフの人だった。その人に連れられてお店の中に入る。入ってすぐの所で、「ここでちょっと待ってて。」と言われ、待っていると他のニューハーフの人達をぞろぞろと連れてこっちへ戻ってきた。

沢山のニューハーフにジロジロみられる私。正直に気分は蛇に睨まれるカエル状態だった。

「あの子、男の子なんだって!」「うそ、ほんとに~」「なちゅーい」「なちゅいよねー」

色々言われていると、お店のオーナーが出てきて私を小部屋に連れて行った。

お店の説明が始まる。ここにはニューハーフに会いにお客さんが来ていること。女として扱われたいと思っちゃだめだってこと。ニューハーフとして話を盛り上げないとだめなこと。ショータイムがあってその時は裸になることもあること・・・etc

思っていたよりもヘビーな世界だった。

もうすぐ開店するからショーを見ていきなさいと言われた。

開店までもう少しあったので小部屋で待たせてもらうと、さっき「なちゅーい」と言っていたニューハーフの人が話しかけてきた。ここに来た理由を聞かれ、性転換するお金が必要になったためここで働きたいということを正直に答えた。そして自分が性同一性障害だってことも。その人の顔が若干歪んだ。何か言いたそうな顔をしてたけど、何もいわずに「そろそろ始まるから楽しんでみてってね」みたいな事を言って部屋を去った。ちなみにその時「なちゅーい」っていう言葉の意味も教えてもらった。

天然の女の子にしか見えないっていう意味だった。

 

長いので2回に分けて書きます。結局、追い込まれた私は夜の世界の扉を叩いたんだけどどうなったかは次の話で!