戸籍獲得編・・・老婆のように生きる 性同一性障害㊾
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性転換編・・・女性の体で日本へ 性同一性障害㊽ - 性転換子の生き様
無事日本へ戻ってきた私。性転換手術が終わっても戸籍まで自動で変わるわけじゃない。そのための手続きを進めることに
したんだけど、そのためには関西の主治医に会いにいかないといけない。
でも術後の体ですぐ関東から関西の長旅は正直無理。だから、少し体を慣らすことにした。
どうせ仕事もしてないし、毎日6時間のダイレーションを行い、それ以外の時も立ってると術部が痛いからベッドの上でごろごろ。お腹が減れば冷蔵庫にある冷凍食品やインスタントを食べてた。 なんて怠惰な生活!
術後に体を自由に動かせないことは分かっていたから、タイに向かう前に冷凍食品やインスタント系を買いだめしておいたのだ。それでも1週間したら食料も無くなる。それにそんなのばっかりだと栄養かたよっちゃうしね。
そこで近くのスーパーに買い物に行くことにした。手術前はさくさくっと歩いて5分くらいの距離。でも手術後にそんな風にはいかない。ゆっくりゆっくりしか歩けないし、食料品を買い込んだスーパーの袋を持って歩くのなんて大変だろうなっと思い、どうしよっかなっと悩んだあげく思いついたのは・・・
キャリーバッグを杖兼カバンがわりにすること。
キャリーバッグに体重をかけて押しながら進む私。どう見たっておばあさんがキャリーバッグを杖変わりにしながら歩く姿とうり二つ。私のはミニじゃなくてノーマルサイズだけど。
なんとかスーパーについて、必要最低限の物をカゴに入れレジへ。買い物している間も、レジでお金を払うときもキャリーバッグにもたれかかる私を見て店員さんは不思議そうな顔。
なんでこんな若い子がおばあさんみたいなマネを・・・みたいな無言の声が聞こえてくる。そしてお金を払い終わったらキャリーバッグに食品をつめこみ自分の部屋まで戻る。
そんな生活を数週間したのち、体力も大分回復し、体にも慣れてきたので関西の主治医へ会いにいくことにした。