性転換子の生き様

性転換で男→女に変わった私の人生の歩みや日々のLGBT関係の話で思ったことを書いてます。トランスジェンダーの話がメインです。

SEX CHANGE

性同一性障害の生活覗いていきませんか?

女性は体力がないのか?

東京医科大学が女子だけ一律に減点していた問題で、東京医科大以外にもやっているとの声も出てきた。

それに対して女性は出産、育児で抜けるからしょうがないよという声や「女性は体力がないからハードワークな医者は無理なんだし」的な擁護をする意見を見る。

それを聞いて私は疑問に思うんだけど、女性って体力ないの?

 勿論、体格差で力の差があるのは分かってるんだけど、そもそも医者という仕事の分野で必要な体力がないのだろうか?

医者の持つ聴診器やメスが10キロ超えるわけでもないし、日直があるからっていう声には夜勤仕事なんて他の業種でも普通にあって、女性でやっている人結構いると思うんだよね。そこで、女性として生活してきて思ったのが女性は体力がないのではなく、体力がないことを美徳とされているからじゃないだろうか。

 

・筋骨隆々だと着れない服

女性の服はゆったりサイズは勿論あるんだけど、かわいいデザインや綺麗な服は細みのシルエットでピッタリした物が多い。筋肉ガチガチだと二の腕なんて通らないだろうし、フォルムも崩れる。

じゃあそんな服着なきゃいいじゃん?って思うかもしれないけど、そういう体格や服じゃないと恋愛対象にされないよね。されないどころか中傷の対象になることもある。

私も肩幅広めだから昔はそのことでちょっとバカにされたことあるしね。

「まだまだ女性は若いうちに結婚が望ましいよね。」なんて空気をいたるところで感じるこの世の中で、そういう服を着れない体系に好き好んでなる人はいない。

まぁ、これは男性だけじゃなく、そういう体系を良しとするファッション業界の問題でもあるんだけど。

 

・男性は色んなタイプがあっても好かれるけど、女性は可愛らしさ、綺麗のみ

男性はマッチョ、細マッチョだけでなく線の細い人でも好かれるけど、女性の場合は筋肉質でガッチリした女性が好かれるってあんまり聞いたことない。0ではないだろうけど。これは女性の好かれる外見に偏りがありすぎるのが問題なんだよね。

女性を褒める言葉で「体力ありそうですね。」とか「ガッチリして、いい体格してますね。」って言う人なんて聞いたことない。

 

・男らしい=力強さ 女らしい=気配り、おしとやか、柔らかさ

男らしいって言葉は、力を示す行動や意思のはっきりとした発言をしたりっていうのを思い浮かべるんじゃないかな。

逆に女らしいっていうと気配りやゆっくりとした所作、美に関する言葉や行動が思い浮かぶと思うの。代表的なのが女子力だよね。大皿の料理を率先して取り分けたり、昔ながらの女性仕事が得意だと女子力高いねって言われるの。

じゃあ女性が重い物ガンガンもって、歯に着せぬ物言いをしたら周りの人間はどうおもうだろうか。一般的な男性は「生意気」「可愛げがない」って思うんじゃない?

人口の半分から快く思われない行動を好き好んで取る人間がどれだけいるだろうか。

 

結局のところ、女性がか弱くあることを美徳とする固定観念が女性の体力を奪っていると思うの。

 

そして、実は女性って体力使うこと結構していると思うんだよね。ただ意識してそこを見ようとしてないから(多分体力のある人は女性として見られてない、体力のない女性ばかりをもてはやす)、女性は体力がないってイメージがあるんだと思う。

 

・同じ医療系の看護婦は女性ばかり

看護婦ってすっごいハードワークだよね。注射を打って気分はいかがですか~なんて言うだけの仕事じゃない。体を上手く動かせない病人の補助は勿論だし、夜勤だってバンバンある。あれを知る機会は日常で結構あると思うのに、なんで今回の件で体力ないから~なんて擁護できるんだろうか。

 

・看護婦以外にも体力使ってる女性はいっぱいいる

抱っこ紐でずっと抱っこしながら街中散歩しているお母さん。宅配便も女性の人結構みかけるよ。保育士だって全力でぶつかってくる子供とは体力勝負。

仕事っていう範囲での体力仕事なら女性も立派にやっている人は沢山いるんだよね。

 

そして、そもそもハードワークなのか、ハードワークにしてしまっているのか

 

・そもそも医者はハードワークでないとダメなのか?

ハードワークで日々へとへとになっている医者に、自分のここぞという手術や治療をまかせたいの?私は、出来れば命に直結することなんだから、余裕を持って仕事して欲しいな。日本って医者だけでないけどハードワークほど美徳になっている部分あるよね。

実際は最新の技術を導入したら負担が減る部分が多々あるのに、決定権は上の人にあるからとか、目先の費用ばかり気にしてそういうのに目を向けない所がある気がする。

 

・医者って閉鎖的

医者を育てる教育機関って国公立、私立問わず税金が大量に投入されてるのに、就職した病院先で派閥があったり、一部の人はだけど、卒業後は数年間卒業した大学の附属病院で働かないとダメだったり、職場のお偉いさんに嫌われたらキャリアが閉ざされて他の病院でも働くの難しくなったりするって話きくよね。

医者は小さなクリニック以外は全部公務員にして、もっとフレキシブルに人事異動できるようにしたらいいのに。

 

・男性でもついていけない人はいるよ

男性の医者だからってついていけるわけじゃないんだよね。医師の友人はハードワークすぎてハードじゃない科に移ったし。産婦人科とかはハード以外にもミスした場合、訴訟のトラブルに巻き込まれる可能性が高いから人気ないって言ってたの。

 

昔の槍を持ってマンモス狩りでもしてた時代ならいざ知らず、今のご時世は男性にしかない体力でする仕事はそうそう多くない。0とは言わないけど。

医者は男性にしかできない仕事ではないと思う。結婚、出産が問題だって言うんだったら、それこそ医者の数を増やすなりして給料が減るかもしれないけど、数でカバーすればいいよね。

 

女性だから体力ないよねって問答無用で決めつけるのは間違ってる。

女性は体力がないんじゃなくて、世間の固定観念によって体力がないことを強制されているだけ。この固定観念を無くすのはファッション業界とか、男性の抱く女性の理想像とかと戦う必要があるけど、女性自身もそんなの気にせずに前に出ていく勇気が必要なんじゃないかなって思うよ。