インパクトを欲しがる社会
最近ニュースで性転換して男性になったけど、性転換を後悔して元の性別に戻りたい人の記事を見た。
そのニュースのコメントに対してやっぱり性同一性障害は気まぐれだとか、コロコロその時の気分で性別変えるなんて信用ならないみたいな発言を見かけた。
でもその記事をよくよく見ると、その人が性別を変えようと思ったのは親から性的暴行を受けて、大人になってもトラウマだったとのこと。
だから自分の性に対する不安な気持ちを性の違和感として捉えたみたい。でも実は性的暴行のPTSDだったと分かったから元の性別に戻りたいということだった。
それ以外ににも最初に診察した医者が即ホルモンを処方したりと雑な診察をしたのも原因だなって思った。
性別を変えるっていうのは時間もお金もかかるし、一度変えたら簡単には戻せない。というか物理的にいじったら戻すなんてほぼ不可能。だからこそ適切なお医者さんに診てもらうことが大事。
なのに、このニュースではそんなことには目を向けずに性転換した人はやっぱおかしいみたいな論調のコメントがほとんどだった。多分世間いっぱんもそうなんだろうと思う。
正しい目を持って私たちの事見て欲しいなって切に願う。
実は何でこんなこと書いたかというとね、匿名で顔出さずに声も変えて性転換した人の生の声を聴きたいってお話しがあったの。出演が決まるか分からないので、番組の名前を出さないでくださいって言われたので、出さない。どこの局かも言わない。
実はそのメールが来たとき、出る気なんてさらさらなかった。でも、テレビで客寄せパンダしているドラァグクイーンや芸能界で生きているトランスジェンダー以外にも普通に生活しているんだよと、世間に知ってもらえるなら顔出さずに声も変えてくれるなら出てもいいかなって思った。
でも番組の趣旨が途中で変わったって連絡があった。「性転換2回した人知りませんか?」「性転換後悔した人いませんか?」。どうやらそういう人を出す方向に変わったらしい。
正直むかついた。テレビに出れなくなったからとかじゃなく、私達をなんだと思ってるんだと。後悔した人と後悔していない人同時に出すとかならわかる。でも後悔した人だけを的に絞りたいらしい。理由はインパクトがあるからだって。
そのテレビ局はテレビ局の中でもそういう問題には真面目に取り合ってるって話を聞いたことがあったんだけど、やっぱりインパクトらしい。
長いことテレビなんて部屋においてないけど、今後死ぬまで置かないって決めた。
私達はおもちゃじゃないからね。
私は女性になって女性として辛い目に何度かあったことある。それでも女性になったことは後悔してないよ。そんなことで元の性別に戻ろうなんて思ったこともない。だって女性として辛いことは女性だからっていうより、女性を辛くしている社会や価値観が悪いんだから、それはこれからの人が変えていく事。
そんな住むとこの住所変えるみたいにコロコロ変えるのがトランスジェンダーだと思わない欲しい。そしてこれから性転換する人もしっかり考えてしなさい。
希望の性別は何でも自分の思い通りの世界ではない。それでも今の性別が受けいられないなら覚悟を決めて性転換してね。