性転換編・・・性転換手術 性同一性障害㊶
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病院で一夜を過ごし手術当日を迎えた私。
朝は体を入念に洗い、手術着に着替える。紺色の手術着を身に纏って部屋で今か今かと看護婦が呼びに来るのを待っていた。
予定の時刻より少し遅れて看護婦が呼びにきたので、手術の行われるフロアへ向かう。
自分のいるフロアよりも人があまりいない静かなフロアに用意してあったのは、私を乗せる台。「そこに寝転がってね」と言われたので、素直に従うと、3人くらいのスタッフが私の体に手術準備を施した。体に異常はないかのチェックや何か機械とつながった線の先を私につけたり、最後に大きな注射を私の背中にさした。多分それが麻酔だったのだろう。少しボーっとしてきた。
その後、手術室の中に台ごと運ばれて、手術台に載せ替えられる。昨日診察をしてくれたG先生が私に向かって笑顔で「今から手術始めるからね。」と言ったので、私も笑顔で「OK」と答えた。そしてまばたきをしてもう一度先生を見ると「今、手術終わったからね。」と先ほどの笑顔で答える。
え!?さっき手術始めるっていったじゃん。まだ1秒も経ってないよ?これがタイジョークってやつなのかな。なんて思うと、体についていた器具がはずされる。どうやら本当に終わったらしい・・・。自分がまばたきだと思った一瞬の間に7時間くらい余裕で経過してたらしい。麻酔ってこんなすぐに意識なくなるんだびっくり~。なんて思いつつ、キャスター付の台に寝転がりながら自分の部屋まで連れていかれる。
道中でほんとに手術が終わったか信じられなくて、夢じゃないだろうかと顔を動かしまくって変顔したら看護婦さんに笑われた。
自分の部屋につくと看護婦さんがベッドに私を移動させる。そこへ丁度、アテンダントのSさんがお見舞いにきた。
「ホルマリーさんどうですか?手術無事終わりましたよ。」
「終わったみたいですね~。体調はなんともないみたいです。」
「ずいぶん元気ですね。術後数時間は目を覚まさない人や、目が覚めても意識がモウロウとしてまともに話せない人が多いんですけど。」
手術台で終わってすぐに目が覚めた私はとってもイレギュラーだったらしい。私の体って丈夫だったんだな~なんて思いつつ、寝たきりのまま少し談笑してSさんが「また明日来ますね。」といって帰って行った。
その後目が覚めながらもすることがないのでボーッとしていると、急に吐き気が。すごく気持ち悪くなってベッドの上に吐いてしまった。どうやら麻酔の影響らしい。まぁそれ以外はなんともなかったんだけどね。ナースコールを押して看護婦さんを呼び掃除してもらった。
その日はそれ以外はご飯もとくに食べずに安静にして就寝。翌日から寝たきり生活を開始することになる。 これがすっごく辛かった・・・・。寝たきりなんてそうそうするもんじゃないね。ってことで次は術後寝たきり編!